自分の技術士口頭試験をふりかえってみる その2:建設部門(都市及び地方計画)の場合


第2回は道路の翌年に受けた都市および地方計画.1回受かっているのでかなり気が楽でしたが,やはり部屋に入ると緊張しますね.でもまぁ,受け答えを振り返ってみると,少し余裕があるような?あと,都市計画の専門家だけあって,試験官が割とやわらかい物腰の方だったのもよかったですね.




試験日と会場

  • 日時:2011/12/17
  • 場所:フォーラムエイト




試験官

  • A:大学の先生っぽい感じ。物腰が柔らかいけどとにかく声が小さくて語尾が全く聞き取れない。
  • B:いかにも意匠系ぽい出で立ち。見た感じ少し怖いけど目と声はやさしい。




面接内容

定刻に試験官B氏が呼びに来た。

A:受験番号と氏名をお願いします。
私:「受験番号+氏名」です。

A:10分程度で経歴と体験論文について説明してください。
私:用意したものを説明。両名とも要所要所で頷いてくれたので説明しやすかった.

A:都市計画をご専門にやられているということですが、こちらの経歴に記載されている業務については、学会等への論文投稿は行っていますか?
私:モビリティマネジメントに関するものはJCOMMに投稿.また、大学院の研究につきましては、就職後も大学との共同研究という形で継続しており、昨年は5本投稿しました。(えっ?5本ですか?と食いついてくれたのが少し嬉しかった)

A:このたび技術士試験を受けた動機を教えてください。
私:私はもともと道路が専門で,最近主に担当している業務としては、道路行政マネジメント系の検討が多いです。その際、道路にとどまらない社会資本に合わせた地域活性化の検討が求められることが最近多くあります。そう言った場面では、道路のみの知識では提案内容が偏り、本当に地域が求めていることが提案できない可能性があると感じています。今回、都市及び地方計画を受験することで総合的な社会資本とまちづくりの検討ができる能力がつくのではないか、ひいてはそれが社会貢献につながるのではないか、と思い受験を決意しました。

A:それでは体験論文に関する質問をさせてください。まず1つ目の業務はU市で実施されたみたいですが、地方都市の主要公共交通機関となると1つはバスがあるのではないかと思います。U市のバス交通の課題って一言で言うと何でしょうか?
私:これは地方の一般的な路線バスの特徴でもあるのですが、客が乗らない、乗らないから採算が取れない、採算が取れないから運賃値上げ、値上げにより更に客離れ、という負のスパイラルがあると思います。

(体験論文内にはバスという単語を全く入れていないのにも関わらず、何故かバスの質問がこれから矢継ぎ早に飛んできます)

A:U市においてバスを利用してもらうにはどういう主体がどういう取り組みをしていく必要があると思いますか?
私:バス事業者だけでは費用面・技術面ともに体力が持たないと思われますので、行政や教育機関、そして我々コンサルタントも入った取り組みが重要だと思います。例えば、これら様々な主体が一同に会してバス交通に関するニーズとシーズのマッチングを行うとか、あとはバス事業者だけでは大規模調査は難しいと思いますので行政主導で住民のバス利用に対するニーズ調査をするような取り組みが重要になるのではないかと思います。

A:もうちょっと具体的に都市計画の面からどういう取り組みが必要だと思いますか?
私:バス路線をどんどん拡散していくことは採算性の面から見て困難だと思います。なので、全路線を幹線部のLOSに近づけるアプローチではなく、例えばゾーンバスシステムのように拠点を作り、ゾーン間のLOSを高めるのが重要ではないかと思います。場合によっては末端部においてはデマンド型にする等、フレキシブルな対応が重要だと思います。ただ、これは一般的な話であり、宇部市において果たしてこの案が妥当かどうかは別途検討が必要だと思いますので、今後の課題にしたいと思います。

A:事業者もお金がない中ですので色々大変だと思いますけどどうやればみんながバスに乗ると思いますか?あなたが思う案で良いです。
私:セオリーとは言えないかもしれませんが、個人的な意見としては、移動空間の快適性やアミューズメント性を高めることが重要な視点の1つだと思います。最近は移動時の幸福性に関する研究も盛んですし。例えば、簡単な導入例としてはサブカルチャーとの融合があると思います。ローカルアイドルがバスイベントに参加してニッチ市場を獲得した例もありますし、バスじゃないですがJR境線の鬼太郎列車のようにラッピングをすることで人気を高めている例もあります。こういった取り組みは廉価な施策が多いのも良いと思います。とは言え、まずは、どのような施策が当該地域に適しているのか、国内外の成功事例を収集することから始めるべきだと思います。(よくわからないので適当に逃げました)
(1つ目の業務、バスの質問ばっかり・・・)

A:では2つ目の業務についてですが、今までの居住地TFPの課題として、「接触しやすい地域を対象にしていた」とありますが具体的にはどういうことですか?
私:例えば、今までに行政担当者が、地元説明会や地域活動を通じて顔見知りの方が自治会長をされているような地区に対してTFPを実施していたということです。これだと、接触はし易いのですが、その地区が必ずしもTFP施策に適しているとは言えないので効果が上がっていない可能性がありました。

A:それっていままで付き合いで実施していたことを、急にゼロベースで接触したわけですよね?反発はなかったですか?
私:特にありませんでした。それより、この地域選定の方法がTFPの効果が上がらないクリティカルな部分になっていたので、接触方法を変えるのがまず先決だということを説明すると理解して戴けました。

A:地元に実際に接触する際に何か困ったことはありましたか?
私:特にありません。実施の際に「お願い文」を同封して、できるだけ反感を買わないようなアプローチを心がけたのが良かったのかもしれません。

A:今までTFPを実施したことのないような地域相手だと、公共交通利用を促すのが大変ではありませんでしたか?何か工夫をしたとかありますか?
私:公共交通を今までほとんど使ってこなかった人にとってみると、最初の1回の公共交通利用のハードルが非常に高いのではないかと思いました。ですので、バスマップや時刻表を添付し、できるだけ「使ってみよう」という意識を持っていただこうという工夫をしました。

A:地域選定の際の公共交通のLOSはどうやって設定しているのですか?
私:バスと鉄道の運行本数です。1時間に2本程度の運行頻度が確保されている路線沿線の地区はLOSが高いという判断をしています。この閾値に特に決まりはなく、あくまでF都市圏内の相対評価のために設定したものです。

A:F市でこういうTFPは今後柱になっていくのですか?
私:論文に記載しております通り、現時点で柱の1つです。ただし、今後交通転換が定着していけば、TFPはあくまで転換のきっかけですので、他の施策の優先度の方が高くなる可能性はあると思います。

(ここまで一言もしゃべらなかったB氏が質問を始めます)

B:都市交通・都市計画の面から,どういうまちづくりをやってみたいですか?あなたにとっての理想の街って何でしょう?
私:(質問が獏っとしすぎていてしばし固まる)

B:では具体的にF市を例に挙げていただいても良いです。F市をあなたの理想の街にしようとした時、どういう取り組みが重要だと思いますか。都市計画の面から。
私:F市の場合、製造業の街と言われていますので、大手メーカーと一体となったまちづくりへの取り組みという切り口があると思います。例えば、F市はバス先進都市なので、利用推進が実施されていますけど、企業の協力があるのとないのとでは大きく効果が異なると思います。私はそういう街全体での取り組み活性化に向けた橋渡し的な役割を担えるような計画がしたいと思います。

(ぼんやりしてるなぁと思いながら回答)

B:では、それを実現するにあたって、F市の都市計画の面から見た問題点って何でしょうか?
私:F市はどちらかというと低密な市街地が広がっている地域ですので、バス等の公共交通の効率性を高めるには不利な土地条件にあることだと思います。職住近接が進んでいる地域と言うわけでもないので結局車への依存度が高まっていますし。

(結局ここでもバスの話をしてるなぁと思いながら回答)

B:問題解決ためにはどういう都市計画が必要だと思いますか?
私:エココンパクトシティーのような集約型都市の実現がキーワードの1つとしてあると思います。

B:エココンパクトシティーって方々で言われますけどなかなか難しいですよね。地域の拠点性を高めるためには具体的にどうしたらいいと思いますか?
私:土地利用の規制等ももちろん必要になるのですが、私の思いとしては、単に都市機能を集約するだけでなく、その地域の歴史や文化を踏まえ、地域の魅力を高めていく努力が必要だと思います。例えば、間接的なアプローチになるかもしれませんが、埋もれた宝の発掘や名産品の高付加価値化などの取組みが挙げられるかと思います。このあたりの取組みは最終的には地域住民主体で進めていかざるを得ないところですので、まずは行政支援のもとで住民参加型の地域づくりの場を作っていくことが重要ではないかと思います。

A:それでは質問を変えて技術士倫理に関する質問に移ります。まず、3義務2責務を教えてください。
私:(3義務2責務を回答)

A:その中の1つどれでもいいので説明してください。
私:(信用失墜行為の禁止について説明)

A:CPDについて説明してください。
私:(説明)

A:CPDってどうやったらたまるかご存知ですか?
私:シンポジウムへの参加や専門誌の購読等があると思います。

A:他にはないですか?
私:学会への論文投稿やOJT、技術士の資格取得でも獲得できます。

A:技術士が取得しなければいけない単位数はご存知ですか?
私:3年間で150単位です。

(終わるかと思ったら急に質問内容が変わる)

A:すみません、ひとつ聞き忘れてました。都市計画道路の見直しについて質問です。色々と制限がかかってたりするんで問題が多いと思うんですが、何か知ってますか?
私:(53条について説明)

A:質問は以上です。お疲れさまでした。
私:ありがとうございました。
(試験時間約35分)




感想

  • とにかく質問がふわっとしていて意図が分かりにくかったです。回答するこっちも負けず劣らずふわっと返しましたが。
  • バス関連の業務をやったことがないのになぜあんなにバスネタで攻められたのか・・・。試験官がバス屋さんだったのかも。
  • 専門的知識については改めて聴かれることがなかったですが、多分体験論文の質問内で代替したのだと思います。
  • 向こうが色々と回答を誘導してくれるのが分かりましたが、如何せん都市計画の知識が弱いのでなんとなく的外れな答えを言ってしまったなぁという感覚でした。総じて都市交通とか道路の方面に議論を持って行ってしまった感がありました。試験官から何度も「都市計画の観点から述べてください」と言われましたし。
  • ということで、結局見られているのは知識じゃなく論理構成だということを再認識した試験でした。
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