豊田市で超小型モビリティを見てきた

豊田市で超小型モビリティを見てきた

某業務でカーシェアリングについて調査中ということもあって、こないだ豊田市に寄った際に、軽く豊田市で実験中のカーシェア事業の視察的なものをして参りました。豊田市って初めて行ったんですが、東京からだと地味ーーに遠いんですな。東京⇒(のぞみで1時間45分くらい)⇒名古屋⇒(東海道本線で30分ちょい)⇒岡崎⇒(愛知環状で30分くらい)⇒三河豊田・・・といった感じ。名古屋から更に1時間ちょっとかかるというなかなか骨の折れるトリップでございました。

豊田市の公共交通

てことで、名古屋から小旅行の末、三河豊田に到着。駅の東部には天下のトヨタ本社の敷地が広がります。
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なお、三河豊田駅、なんとびっくり、ICカード使えません。愛知環状鉄道がICカードのご利用可能エリア外なだけで近くの名鉄の豊田市駅とかは普通に使えるため、このエリア一帯が使えないってわけではないんですけれど。しかし、世界を駆ける国内最先端の企業トヨタ本社の最寄駅でICカードが使えないというのもまた滑稽というかなんというか。

そして駅前。地方都市での風物詩バス停の乱立。名鉄バスが2路線(地域内路線と空港路線?)、JR東海バスの高速バス、そしてコミバスのおいでんバスの4基のバス停が駅前でお出迎えです。これを解消するのが結構大変だということは、私、実務経験上よーくわかっております。
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ハーモ・ライド

で、軽い豊田の公共交通のディスは置いておいて、肝心のカーシェア、その名も「Ha:mo RIDE(ハーモ・ライド)」ですが、くわしくはこのへんを見てもらえればと思いますが、経産省が募集していた「次世代エネルギー・社会システム実証事業」という補助事業の採択を豊田市が受けて、2010年から5年計画で色んな低炭素系のプロジェクトを実施しているそうなのですが、そのなかの交通部門の取組みの目玉がこのHa:mo RIDEで、トヨタとかヤマハと豊田市が共同研究という形で実施しているそうです。具体的には、トヨタのコムス(超小型EVモビリティ)とヤマハのパス(電動自転車)のシェアリングをやってます。特徴は「超小型モビリティでシェアリングをやってるということ」、「超モビ+自転車のマルチシェアをやっていること」、そして最大の特徴は「ワンウェイ(乗り捨て)型のカーシェアをやっていること」この3つでしょうか。スタート時はコムス10台パス10台で中京大あたりでこじんまりとスモールスタートしたらしいのですが、昨年の10月に大幅にステーションと車両を拡大して、今はコムス100台、ステーション25か所で運営しているそうです(パスについては聞かなかったから現時点の展開状況はわかんないけど、こちらも100台規模での運営だったはず)。

時間なかったので三河豊田最寄りのステーションのみざっと見学してきました。ステーションは駅から歩いて5分くらい。ちょっち遠い。
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到着。ここには10台くらいの駐車スペースがありました。こんなにたくさん超モビが停まってるのは何か壮観ですな。
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しかも各スペースに充電器が設置されてます。豪華です。EVだと停車中に充電できるのでガソリン車と違って運営側の給油作業の負荷がかからないし、駐車時に充電器に接続することで貸出・返却の確認も容易になるしで、オペレーション的にはガソリン車より優れているそうです。まー最大のネックであるコスト面さえクリアできれば。利用者側からすれば電欠とか航続距離が心配って人が多いのでしょうけれど、まぁ都市部の二次交通とかちょい乗りで使う分にはほぼ支障無いでしょう。
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1人乗りコムスは原付扱い

ナンバーを見ていただければわかるように、コムスは1人乗りなので原付と同じ扱いだそうです。これってワンウェイ型のカーシェアリング事業を運営する上で実は非常に重要な意味を持ってます。通常、車両の保管にあたっては車庫法(自動車の保管場所の確保等に関する法律)に則る必要があって、車庫法の中には「車両は決められた保管場所から動かした場合、必ず15日以内に元の場所に戻さないといけませんよ」的な決まりごとがあるわけなのですが、これに沿って運営すると、例えばA地点で車庫登録されたカーシェアの車両を利用者がB地点で乗り捨てた場合、15日以内にA地点に戻さないといけない、ということになっちゃうわけです。こういう時、B地点に乗り捨てた後、他の誰かが偶然その車を使ってA地点に戻れば問題無いんですが、そんなうまいこと行くこともなかなかないので、結局事業者側で回送作業が発生してしまい、導入車両が多ければ多いほどその手間がすさまじく大変になります。その点、原付は車庫法の縛りを受けないので、この15日ルールの適用除外になります。なので、利用者がどこで乗り捨てても、運営側で元の場所に戻す必要は無く、乗り捨てた場所でまた他の誰かが他の場所に乗ってってそこで乗り捨てて・・といったオペレーションが可能になる、という大きなアドバンテージがあるわけです。ちなみに2人乗りの超小型は車庫法の適用になっちゃうので1人乗りと同様のオペレーションが通用しなくなります。以上、最近勉強したカーシェアリング業界のちょっとした事情でした。
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キャッシュフリーで貸出・返却

貸出・返却は無人対応となってます。利用者はICカードをこの端末にかざし、貸出・返却処理を行うそうです。会員カードがクレジットカードと紐付いていて、決済は全てカードでいけます。キャッシュフリーです。
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車両側とも連動していて、ステーションの端末で貸し出し処理を行った後、車両にカードをかざせば車両のロックが外れる、的な使い方になります。キーレスです。ハイテクです(でも駅の改札ではICカード使えません)。
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一人乗りなのでステーションも小さいです。普通の駐車場マスの半分くらい?ですかね。通常の駐車場に使えないデッドスペースとかでも使えるので、空間の有効活用になるというメリットもあります。
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こっちはパス(電動自転車)のシェアリングスペース。同じステーション内にあります。こちらも無人管理ですが、貸出・返却装置はステーションで1箇所にまとめて集中管理をしているみたいです。
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アプリで予約

あと、こういったステーションの場所とか残車両数とか残電量とかはアプリ(無料)で確認できます。
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事前に講習会を受けます

なお、この超小型モビリティ、車両形状が特殊なので、実際に使う前に必ず講習会を受ける必要があります。なので残念ながら、今回試乗することは出来ず・・・。同じく横浜の超小型モビリティのシェアリング実験「チョイモビ」の会員になっているので今度こちらで試そうと思います。

技術士合格発表日でした

ちなみに、豊田市での視察後、翌日大阪出張が入っていたのでこの日は名古屋に戻って宿泊。ちょうどこの日が技術士の合格発表日だったので祝杯を。一人出張だったので一人飲みで。。Twitterで「おめでとう、自分」とつぶやいたとき反応して下さった皆さんありがとう(笑)
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